いま関東で話題沸騰中のブルーフィットネス。
昨年までわずか8店舗の展開でしたが、今年に入り、ものの半年でその同数にあたる6店舗を東京・千葉・神奈川に次々とオープン。
そんな中、ぼくが住んでいる地域にも、ついにブルーフィットネスが上陸しました。
駅前では連日のチラシ配り。
先着200名は永久に会費を割引したり、他のジムからの乗り換えキャンペーンを行ったりと力のいれようがすごい。
現在、ぼくはゴールドジムに通っていますが、年会費の更新が近くなってきたのもあり、気になったので視察してきました。その結果をレビューします。
そもそもブルーフィットネスとは?
正式名称は「BLUE FITNESS 24」
現在、関東限定(東京・神奈川・千葉)で展開する24時間制ジム。
ウリは「スタイリッシュな空間演出」と「価格の安さ」。
2019年の西船橋店を1号店として、現在急速に勢力を拡大中。
【結論】ブルーフィットネスはナシ
まずは結論です。
年会費の更新時期と重なり、ブルーフィットネスの新店オープン。オープニングキャンペーンも豊富。
ということで、乗り換えをしようか悩み、実際に店舗に見学も行きました。
そして、熟慮した末の結論は「ナシ」
以下に判断の基準となった詳細を記載していきます。とその前に、簡単に比較の全体像を記載します。
おすすめの人 | おすすめできない人 |
・何よりも会費の安さを重視したい人 ・身体を鍛えるためだけに行く人 ・歩き or 電車で通う人 ・待ち時間が苦にならない人 ・コアタイム(平日18時~21時)を避けられる人 また、そういったライフサイクルを送っている人 | ・会費をある程度払ってでもストレスを感じたくない人 ・ジムのついでに用事を済ませたい人 ・ジムに自転車で行きたい人 ・待ち時間がストレス / 時間のムダだと感じる人 ・仕事終わりのコアタイムに身体を鍛えたい人 |
メリットはとにかく安いこと
ブルーフィットネスの最大のメリットは、なんといっても圧倒的な安さ。
ゴールドジムと比較すると、なんとほぼ半額。
月払い | 年払い | |
ゴールドジム | 11,550円 | 10,285円 / 月 |
ブルーフィットネス | 5,478円 | ※年払いの概念なし |
圧倒的安さの秘訣は「人件費」と「土地代」です。
「固定費の削減は価格(会費)に直結する」というのはどの業界でも同じ。
ブルーフィットネスでは、スタッフは常駐ではなく、駐在時間と曜日が決められています。そのため、人件費が安く抑えられるというわけです。
しかし、際立ったメリットは「安さ」のみ。
その他においてはゴールドジムを上回ることができず、「安さ」と引き換えにして、細かいストレスが溜まりそうだなと感じました。
デメリット①:狭い・近い
最も「ナシ」の結論に影響したのがこれ。
前述の通り、
「人件費 + 土地代(面積) = 会費」
というのは社会の基本。
つまり、都心部において安さと狭さは切っても切り離せない関係。
逆にいうと、安いのに広いところは存在しません。
狭いがゆえに、マシンとマシンの距離感が近い。ということは、自ずと人と人との距離も近くなる。
ここがまったく気にならない人はいいかもしれません。
しかし、ぼくは距離感が近すぎるとストレスを感じるので、この距離感・圧迫感は耐えられませんでした。
デメリット②:マシンの台数が少ない
ジムとは身体を鍛えにいく場所。もっというと、自分の健康を創り上げていく場所。
にも関わらず、マシンが使えないことでストレスを感じ、それが健康に影響するのであれば本末転倒。
実際に、ゴールドジムでも、フリーウェイトのエリアやマシンを1時間近く占領する人はいます。
というか、どこのジムにいってもこういった「自分が置かれている状況を客観視できない人」は存在してしまうもの。
そういったときに、同一エリア / マシンを使えるか?また、他の代替種目に逃げられるか?はとても重要です。
逃げ場があれば、
「マシンが空いてないなら、良い機会だしいつもと違ったマシンで負荷をかけてみようか」
と瞬時に切り替えができる。
ただ、マシンが限られているとそれもできません。
これは、自分の貴重な時間と労力を割いて通っているため、最も避けるべき事態。
なので、上述したような人たちを「想定内」としてマネジメントすることが大事なのです。
マシンが足りないと、そういった人が1人でもいたらマネジメントが狂い、その後ロケット鉛筆式に後ろが詰まるという悲惨な光景になります。
デメリット③:ジム以外のところにいけない
ブルーフィットネスは安さに全振りしているため、トレーニング機器以外の必要設備も最小限です。
- シャワールームは1つ
- 更衣室が狭い
- 個人用ロッカーは有料(扉のない共有の荷物置き場はある)
- 自転車を止められない
シャワールームと更衣室
いまのような暑い時期、シャワールームは混雑しないのか気になったのでスタッフに聞いてみました。
すると、ほとんどの人はシャワールームや更衣室は利用しないので、特にそういったことはないようです。
なぜなら、トレーニングウェアで来て、終わったらそのまま帰るという前提で利用している人が多いからとのこと。ちなみに、ブルーフィットネスは土足でOKです。
個人用ロッカーが有料
上記のように、着替える前提がないので荷物は最小限の想定。
そのため、共有の荷物置き場(扉のないロッカー)だけ存在します。 貴重品をいれるためのカギのかかったロッカーは月額1000円ほどの契約制です。
自転車を止められない
設備は最小限のため、駐輪場もありません。
ブルーフィットネスは駅の近くにあることが多いので、他の駅から来る人は問題なし。
ところが、近所から来る人は通う手段が「徒歩のみ」という制約は結構キツめ。
このように、ブルーフィットネスは、
「トレーニングをするために来て、終わったら家にまっすぐ帰る」
という導線が前提の作りとなっています。
そのため、「一人暮らしの人」や「ジムついでに用事を済ませたい人」には厳しめの導線。
なぜなら、どうせジムに行くならシャワーを浴びてスッキリしたいし、せっかく外出したついでに買い出しや用事も済ませたいから。
ところが、汗だくの状態ではスーパーに入りづらいし、自転車もないので気軽に買い物もできない。
こうした「ジムに付随した細かな用事」を済ませられないのは、大きなデメリットです。
デメリット④:給水機がない
筋トレガチ勢になると、自分専用の特性ドリンクを持って行きます。
しかし、この場合でも、粉だけは家からいれてジムで水をいれるパターンが多いです。 初心者の場合、特性ドリンクなんて持って行きませんし、わざわざ水を買っていかなければならないのは面倒。
夏の暑い時期は、定期的な水分補給をしなければ生命に関わります。 個人的に、この部分まで設備カットされているのは驚きでした。
デメリット⑤:価格以外のウリが弱い
ブルーフィットネスのウリは、以下になります。
- 24時間営業・年中無休
- 強固なセキュリティ
- スタイリッシュな空間演出
- スタッフが全員パーソナルトレーナー
それぞれ見ていきます。
24時間営業・年中無休
ゴールドジムの場合、1か月のうち1日は休館日です。
また、基本は毎週日曜と月曜は24時間ではなく、オープンとクローズの時間が設定されています。
ところが、他の競合を見ると、「エニタイムフィットネス」は同様に24時間・年中無休です。
そのため、24時間・年中無休という強みは、もはや普通になっています。
※エニタイムは、ブルーフィットネスとコンセプトが似ている小規模型ジムです。
強固なセキュリティ
こちらも競合のエニタイムと同様です。
スタッフが非常駐式のジムは個人が会員証をカードリーダーにかざして出入りするシステム。
ゴールドジムの場合は、常駐しているのでセキュリティという面では、ゴールドジムのほうが上です。
スタイリッシュな空間演出
薄暗い照明、トレーニングを後押しするようなBGMがウリとのこと。
しかし、ただでさえ狭いのに足元が暗いのは、むしろ危ないのでは?と感じてしまいました。
また、BGMに関してはゴールドジムも洋楽が流れていますし、ぼくはイヤフォンで好きな音楽を聴いているので
そこまでのメリットを感じられませんでした。
スタッフが全員パーソナルトレーナー
パーソナルトレーニングは「事前に予約していくもの」なので、 その日にいるスタッフが全員パーソナルトレーナーである必要性は感じませんでした。
マシンの使い方や基礎的な筋トレの知識であれば、ゴールドジムのスタッフも全員やさしく教えてくれます。
すでに安かろう悪かろうの雰囲気を感じつつある
突如出現した新進気鋭のジムということで、ネット上に落ちている情報も少ないです。
そんな中、この記事を書くにあたり、賛否両論の意見の収集のためGoogleの口コミを見ていると、1号店の西船橋店を発見。
オープンは2019年ということで4年の歴史を誇るジムとのこと。
予想通り口コミは蓄積していて、リアルな声が多かったです。
- マシンが全般的に足りない
- 混んでいて満足にトレーニングできない
- 利用者のマナーが悪い
などなど、「やはりそうなるだろうな・・・」という生々しい意見ばかりでした。気になる方は見てみてください。
「トレーニングをするだけの目的」の人はいいかも
上述の通り、ブルーフィットネスは
「トレーニングをするために行き、終わったらそのまま帰る」という導線が前提です。
なので、寄り道は一切せずにトレーニングだけするという人には向いているジムです。
また、コアタイム(平日18-21時)は混雑することが確定しています。 その混雑の時間を、特にストレスを感じることなく過ごせる人や、 働き方が自由でコアタイムをズラせる人には向いているかもしれません。
【まとめ】目的は何か?をいま一度考える
ブルーフィットネスは、今後も拡大を続け、知名度があがり、会員が増加することは間違いないでしょう。
そのときに、今の面積・設備・環境で耐えられるのか?という点が不安になりました。
昨今、フィットネスの重要性が浸透してきています。そのことから、今後フィットネス人口はさらに増加の一途をたどることは確実です。
ぼくたちは、ストレス解消と健康な身体を手に入れるためにジムに通っているはず。
それなのに、些細なことで不便を感じたり、ストレスを感じたりするのは本末転倒。
「安さ」という指標は、最もわかりやすく、それゆえ最もインパクトがあります。しかし、その安さには必ず「裏」があるもの。
ジムは今後何十年にも渡り通い続けるものです。もはや生活の一部と言ってもいいレベル。
そこに対して何を求めるのか?
目先の価格だけではなく、将来性という観点も検討材料に入れてみてはいかがでしょうか。
また、何よりも大切なものは自身の健康です。
何に対してお金を払っているのか?どこに価値を感じているのか?それらを一度立ち止まって考えてみるのもいいかもしれません。
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