クラウドメモアプリは、情報化社会の現代において必須ツールです。
膨大な容量があり、情報管理を一元化できるので、依存度は日に日に増していくばかり。
そんな中、2023年6月に10年間使用したEvernoteに見切りをつけ、Notionへ乗り換えました。
もはや生活の基盤ともいえるクラウドメモアプリの移行は、かなり大がかりで面倒な作業。
にも関わらず決断した理由について解説していきます。
【きっかけ】改悪続きのEvernote
Evernoteを利用して10年。
乗り換えたきっかけは、なんといっても改悪につぐ改悪が止まらなかったからです。
もはや、クラウドメモアプリは生活の一部となっており、苦渋の決断でしたが、 そこまでしても乗り換えなければならない理由がありました。
そして、その始まりは、
・2021年の大型アップデート
・「Evernote Legacy(レガシー)」問題
からでした。
2021年の大型アップデートで絶望的な改悪
Evernoteは2021年の大型アップデートで仕様がガラリと変わりました。
ところが、これがとんでもなくポンコツで非常に使いづらくて大不評。具体的には以下です。
特に①②③が悲惨でした。
①保存がうまくされない
クラウドメモアプリにとって「信頼性のあるデータ保持」ができないのは致命的です。
アプデ以降、ノート内のとある画像だけが突然消えたり、2時間前に記載した内容が消えたりということが多発しました。
メモは脳のリソースを空けることが目的で「忘れるため」に書くものです。
にも関わらず、保存がされないというのは致命的。
②同期がうまくされない
クラウドメモアプリの良さは、どの端末から編集・閲覧しても同じデータが見れるというところ。
ところが、アプデ以降、書き込んでも保存されていないケースが頻発しました。
また、同期の即時性も非常に悪く、パソコンから更新した情報を10分後にスマホで見ると、非同期状態になっているなどが多発。
③動作が緩慢
アプデ以降、明確にノートの切り替えが遅くなりました。
メモを取りたい状況下で、表示に10秒も20秒もかかっているようでは、実用性は乏しくかなりのストレスを感じます。
④便利な機能の消失
●Ctrl + Z(1つ前の動作に戻る)がきかない
ショートカットの中でも使用頻度が高いものだったのでショックでした。
その他ショートカットも、このアプデ以降使えなくなるものがありました。
●「同期ボタン」がなくなった
以前より「同期の不安定さ」が弱点だったEvernote。
面倒くさいですが、この同期ボタンを押すことで、それが補えていました。
ところが、アプデ以降は消滅。
これに関してサポートに問い合わせたところ、「すぐに同期される仕様なのでなくなりました」との回答。
しかし、現状は上述の通り、同期は満足にされません。
⑤手に負えないサポート体制
このような悲惨な状況なのでユーザーからの問い合わせが殺到。
元々サポートのレスは遅かったのが、さらに遅くなりました。典型的な悪循環。
そして、上記に加えさらに追い打ちをかけるように、現状と逆行するかのような謎の値上げ。
もはやEvernoteは「当たり前」すらままならなくなってしまったのか・・・と失望しました。
同時に、Evernoteは限界を迎えたんだと判断しました。
Evernote Legacy問題
このように、大幅改悪アプデという謎現象が起きて以来、ユーザーからは大不評。
そして、これの救済措置(?)として「Evernote Legacy」というものがリリースされました。
要するに、上記のアプデを反映させていない「旧式」を特別に提供するというものです。
しかし、Evernote社的には不本意なようで、たびたび突然使えなくなることがあります。
ぼくは、仕方なくLegacyを我慢して使っていましたが、ある日アプリをアップデートすると、強制的にアプリが削除されました。
そして、その代わりに新しい「通常版」のEvernote(ポンコツ)がダウンロードされるという事態が発生。
そして、Legacyのアプリは公式サイトから姿を消しました。
つまり、二度とダウンロードできなくなったということです。
※補足
上記は2023年5月ごろの話です。
その後、ユーザーからの非難が殺到し、現在はダウンロードできる状態に戻ったようです。(2023年8月現在)
ただし、いつ同じような強制移管が起きるかわかりません。
情報化社会の現代、「データ」は時には「お金」よりも価値があります。
そんな大事なデータを、このような不信感のある企業には預けられないと判断しました。
課金縛りのセコさから垣間見える焦り
それと同時に、課金に対する縛りも改悪しました。いままで、無課金では端末2台までという制限がありました。
そして、ここには「Web版」は含まれないという条件があったので、無課金でも十分使えていました。
しかし、2021年のアプデにて、「Web版」も換算するという改悪が発表。
もちろん、いままでの無課金ユーザーたちは阿鼻叫喚です。
iPhone、タブレット、PCなど、端末の多角化が進んでる昨今ではありえない改悪です。
「ここまで絶妙なラインを攻めてまで資金を集めたいのか・・・」
とセコさを感じつつ、同時に、
「こんなことまでしなければ企業として立ち行かなくなってきているんだな」
という焦りも垣間見えました。
このように、当たり前すらままならない中での値上げは到底許容されるものではなく、これが決定打となりました。
とはいえ、Notionは70点
上述の理由から10年を共にしたEvernoteと決別し、Notionに移行しました。
しかし、「NotionがすべてにおいてEvernoteより優れているか?」と言われるとそうではありません。
かなり粗削りな部分がある印象。
以下はメリットとデメリットを考察した記事です。
現状のNotionは70点ですが、不信感がMAXに達したEvernoteはもはや採点不能。
クラウドメモアプリは現代のインフラなので、信頼性のあるNotionを使うことに決めました。
数年前のEvernoteがベストだった
数年前のEvernoteはシンプルさがウリで、クラウドメモアプリで右に出るものはいませんでした。
それが、いまでいうところの「Evernote Legacy」です。これが個人的にベストに近い形。
ところが、現状のEvernoteやNotionは、「いま風」へのキャッチアップに必死で、ユーザーを置いてけぼりにしている感があります。
目指すべき場所が、ユーザーのニーズとかけ離れてしまっているのは残念で仕方ありません。
ユーザーが求めるものは「当たり前」と「シンプルさ」
前述したように、現在のクラウドメモアプリは機能が豊富です。
カスタマイズ性に優れ、AIにも対応しています。
しかし、そういった機能は現段階で必要ありません。たしかに「新しいもの」はわかりやすいし話題になります。
でも、それは基盤がしっかりとしている、という前提があっての話。
「快適さ」あっての「機能性」という初歩的な視点が抜け落ちています。
まずは、ストレスを感じることなく使えることが重要であり最優先事項。
この当たり前のラインを確保してから、ようやく「機能性」が次のステップとして現れます。
水道設備のない発展途上国でスタバのコーヒーを販売しても売れないのと同じです。
目線が上を向きすぎている状態。
まさに灯台下暗し。
ぼくたちが求めているものは、決してレベルが高いモノではありません。
「シンプルで、ただ安心して使えればいい」という当たり前のレベルです。
【まとめ】現時点のベストを使い続ける
Evernoteが突如迷走したように、10年後にNotionでも同じことが起こるかもしれません。
また、技術の進歩は加速度を増しています。
今後、GoogleやAppleがクラウドメモ部門を強化して、Notionが相対的に衰退する未来も容易に想像できます。
盛者必衰はこの世の常。その際は、潔く「その時の最適解」に乗り換えます。
大事なことは変化に適応していくことだから。
コメント
コメント一覧 (2件)
『ユーザーが求めるものは「当たり前」と「シンプルさ」』、の見出しをみて、「たし算はできても、ひき算は難しい」がテーマの先週10日「がっちりマンデー!」を、思い出しました。
さきほど4日からの50ノートが埋まり、evernoteの使い終わりを、私も決めました。参考になる記事ありがとうございました。
>mike様
コメントありがとうございます!
具体的に感想をご記載いただいて、この記事を書いてよかったなと感じました。
Evernoteは、さらなる暴挙に出ているようですね・・・。
賢明なご判断だと思います。
お互い最適解を見つけていきましょう!