「本を読め」
子供のころに親や先生によく言われた言葉ではないでしょうか?
しかし、社会人になると、また上司や先輩から言われだす言葉No.1でもあります。
「最近、本を読んでいるか?」
「本は読んだほうがいいぞ」
なぜこうも「本を読め」と言われるのか。
その理由と裏側に迫ります。
【結論】社会人は読書をしないと損
社会人が読書すべき理由TOP3です。
この3つは、今後生きていくうえでの必須スキルと言えます。
1位 メールで文章力がわかるから
2位 悩みを解決できるから
3位 バランスを取るため
それぞれ解説していきます。
1位:メールで文章力がわかるから
メールは「スカウター」です。
それだけ読書経験が残酷なほど顕著に出ます。
誤字脱字や言葉のチョイス、句読点の使い方など、メール1通で様々な部分が見られています。
メールは、いまやビジネスの基本です。
チャットも広い意味ではメールの部類に入りますし、 クラウドサービス内のメッセージ機能なども同じです。
そのため、メールが苦手なのは致命的。
というより、テキストでのコミュニケーションが苦手なのは致命的です。
それだけでかなりの損をします。
では、なぜ読書をしていない人はメールが苦手なのか?
具体的に見ていきます。
文字に慣れていないから
普段、読書をしていない人は文字に触れ合う機会が少なく、慣れていません。
そのため、「誤字脱字」に気づきづらいです。
文字に慣れていないため、読み返す習慣がないというのはもちろん、「文字の違和感」をキャッチできません。
文字に慣れていると「なんかおかしい」というのは感覚的にわかります。
たとえば、
・「指示を出す」を「支持を出す」と間違える
・「よろしくお願いします」を「鎧しくお願いします」と間違える
などです。
これらの「パッと見の違和感」をキャッチできないのは、文字に対する経験が少ないためです。
言葉のストックが少なく表現方法が単調だから
また、言葉選びや表現方法でも読書をしているかどうかはわかってしまいます。
読書をしている人は、その場面や状況にピッタリと当てはまる言葉を持っています。
適した言葉を引き出しの中から瞬時に探し出せるのは、それだけ普段から言葉に触れている証拠。
逆に、言葉のストックが少ないと「相手に伝える角度が変わらない」ため、認識のズレが生まれやすいです。表現方法が単調なのも同じです。
1つの事象に対して、様々な角度から説明できると、それだけ相手の理解が深まり、認識のズレが少なくなります。
ビジネスにおいて、「認識違い」は絶対に避けるべき事態。
様々な言葉や表現方法を持っていると、そのリスクを下げることができます。
文章への配慮が足りないから
メール(文章)の真の目的は、
「自分の想いを過不足なく理解してもらうこと」
です。
しかし、
・句読点がない
・一文が長い
・漢字だらけ
などが見受けられると、それだけで相手の理解を阻害します。
これらはただの「ノイズ」です。
目的を妨げ、時には誤解を生んでしまいます。
原因はやはり、文字に慣れていないため、読み返す習慣がないというのと、「文字の違和感」をキャッチできていないからです。
句読点がない
句読点は、相手への思いやりです。
音楽でいうところの「V:息継ぎ」です。
読みやすいところに句読点を打ってあげることで、相手にリズム良く最後まで読んでもらうことが目的。
これがないと読みづらいので、それだけで最後まで読んでもらう可能性が下がります。
一文が長い
メールを書いていると、ついつい勢いそのままに長い文章を書きがちです。
文章はリズムが大事。
書き終えたら一度読み直して、むやみやたらに長ったらしい文章じゃないか確認が必要です。
相手が読みやすいように、分割して読みやすくする配慮をしましょう。
漢字だらけ
文字に慣れていない人の中には、
「とりあえず漢字を使っておけばOK」
という人がいます。
例えば、
・また=又
・なぜ=何故
・かつ=且つ
・しかし=然し
などです。
確かに、漢字だらけだと頭が良さそうに見えますが逆効果です。
普段使わない漢字なので読みづらいだけ。
これも文字に慣れている人にとっては違和感です。極力「ノイズ」は減らしましょう。
2位:悩みを解決できるから
本は、いわば「攻略本」です。
社会に出ると、答えのない問題にたくさん直面します。
また、学生時代とは比べ物にならないくらい、多くの人と関わり合いを持つことになります。
そのため、「悩み」や「課題」というものが常に生まれます。
社会人に悩みはつきものなんです。
そして、学生時代のように「唯一絶対の正解」は存在しません。
それくらい複雑で曖昧なものが社会です。
そういった悩みの解決方法として「読書」があります。
その悩みは自分だけのものではない
いま抱えている悩みや課題は、自分だけの特有のものではありません。
それは、過去の先人たちも同じく抱えていたものです。
そのため、解決方法が書かれた本は必ず存在します。
先人たちが残してくれた「解決済み」のハンコが押してある本を読まない手はありません。
それを読むことで解決の糸口が見つかるし、同時に、
「自分だけじゃなくて他の人も同じなんだ」
「自分が初めて直面した問題なんてないんだ」
ということが知れると、心が軽くなります。
悩んでいるときは、自分ひとりでふさぎこんでしまうもの。
だからソリューションとしての読書は、社会人にとって必須です。
というか、やらないと損です。
3位:バランスを取るため
社会人になると、遅かれ早かれ必ず社会という壁に打ちのめされます。
そして、
「世界は広いんだ」
「今まで自分はいかに小さな世界観の中で生きていたんだろう」
ということを知ります。
同時に、自分の価値観や経験はすべてではないということも知ります。
それらを効率よく学ぶためには、「人に聞く」か「読書をする」かしかありません。
人に聞くことは、相手の承諾が必要だし、知りたいことが知れるかは不明。
そのため、読書をするのが最も効率的です。
読書は、自分の経験ではなく、他人の経験を学ぶことで、「追体験」「疑似体験」ができます。
人生は思っているより短いです。
なので自分の経験だけでは足りません。
だから、いろんな人の人生を体験できる読書はとても有益なもの。
そうして学んだ知識や経験によって、人間としての視野が広がり、バランスが取れるようになります。
価値観が偏らないように読書を通じて多様性を学んでいくことは大事です。
なぜ社会人になって学ぶ人が少ないのか?
学生の仕事は、学ぶこと(勉強すること)です。
勉強することは手段で、いい成績を取ることが目的。
しかし、社会人になると学ぶ人は激減します。
それはなぜなのでしょうか?
ゴールがないから
社会人になるとゴールがありません。
正確にいえばゴールはありますが、自分で設定をしなければなりません。
学ぶとしても、上司から言われて受ける資格試験や昇進試験くらい。
それ以外で自ら目標を設定しなければ、学ぶ理由などあるはずもなく、それゆえダラダラと何気ない毎日を過ごすことになります。
仕事が生活の中心になるから
仕事をする時間以外は、
「仕事をするための充電期間」
になり、仕事に関連することはやらなくなります。
なぜなら、ここで読書や資格の勉強をすると、その貴重な休日の時間まで「仕事をしている時間」に含まれてしまう感覚になるからです。
ただでさえ仕事でストレスが溜まるのに、休日までストレスを溜めていたら身体がおかしくなる という理論です。
学ばなくてもなんとかなるから
正直な話、学ばなくてもなんとかなるというのは本当です。
仕事の内容は、感覚知であるものがほとんどで、経験によって身についていくからです。
難しい仕事でも、毎日8時間もやっていればイヤでも覚えてしまうもの。
よほどの危機感や切迫感がないと人間は動きません。そのため、学ぶ人が少ないのは自然なことなのかもしれません。
しかし、いい仕事をするためには、自身のスキルを磨くことは重要です。
社会人という果てしないステップ
ぼくたちの多くは、
・小学校:6年
・中学校・高校:3年
・大学:4年
というステップを歩んでいきます。
学校に入学した段階から「あと数年後に卒業して次に行く」という、いわば「明確なステップとゴールが見えた状態」なわけです。
そのため、それに向かって努力すればいいという単純な話でした。
周囲の多くも、横一線で同じように努力しているので、疑問を持つ余地すらない状態。
しかし、これは「短期的な目標」で、 なおかつ答えは「進学」「卒業」「合格」という極めてシンプルなルールでした。
一方、社会人は違います。
今までは、どんなに長くても6年間が最長のステップでしたが、これから先、何十年も続くわけです。
途中、昇進や転職があるかもしれません。
しかし、それ以外は明確なステップやゴールはありません。
最近では、定年やリタイアの線引きもあいまいになっているので、もしかしたら死ぬまで続くかもしれません。
社会人は「自助努力」ありき
社会に出ると、宿題やテストはありません。
上述したような資格や昇進試験などの「短期目標」はあるでしょう。
しかし、「長期目標」は存在しません。
自分がどういった人材になって行きたいのか、どういう人生を歩んでいきたいのか、
決めるのは誰でもなく自分です。
そして、それに関する自身のスキルアップも自ら行わなければなりません。
社会人は自助努力ありき。
課題設定やそれの解決を図るのも、すべて自分なのです。
【まとめ】社会人こそ読書せよ
一か月のうちに、読書をしない人は53%です。
なので、読書をするだけで上位47%に入ります。
それだけで差別化できるというのは、かなり簡単な部類。
読書は最強の自己投資です。
学ぶことで、それが人生の選択肢となり可能性を広げます。
さらに、一度習慣づけば今後の人生は確実に楽になることでしょう。
特に、今回紹介したTOP3の能力が身につけば、市場価値はかなり高いレベルになります。
テレビやYouTubeを観て「短期的な快楽」を優先するか、読書をして「長期的な快楽」を取りに行くか。
これまで書いてきた通り、社会人になってから読書をする人は少ないです。
少しでも、今この瞬間に楽をしたいと考える人がどれだけ多いことか。
だからこそ、読書をしましょう。
学ぶことは誰でもできる。あとはやるかやらないか。
これらの事実を踏まえ、あなたはどうしますか?
関連記事です。
これから読書習慣をつけたい人向けに書いた記事です。
読書習慣のハードルは高いので、気合を入れて本は買わなくてOKです。
図書館であれば無料だし、最近の図書館はオンラインで検索や予約・取り寄せができます。
返却期限を逆手に取った「締め切り効果」を利用することで、読書習慣を少しずつ構築していきましょう。
以下、「読書」に関するオススメ書籍です。
なぜ読書をしなければいけないのか?が体系的に学べるので、今後の人生のあり方に影響を与えるかもしれません。
もちろん、図書館で借りてもOKです。
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